肺がん手術後 咳の練習(ハッフィング)
肺がんの胸腔鏡手術の後しばらくはいろんな不具合が出てきます。
術後直近でいうと、手術時の呼吸を確保するために気管から管が入っていたので、
痰が出やすい状態になっています。
喀痰を出すことは気道を清浄化する上で大切なことです。
肺の合併症予防にもなります。
と言われましても、実際最初の痰を出すときは痛みと力の加減がわからず恐怖心がつきまといます。
痰だけでなく、不意に出てくるくしゃみやしゃっくりなどにも大変気を使います。
空咳もよく出ます。
術後2週間くらいは付き合っていかなければならない問題です。
病院から事前に教わった咳の練習(ハッフィング)の方法
⑴座位になる
⑵姿勢を正す(背中を伸ばす)
座位になることで、力も入りやすくなる。
横隔膜が下がることで腹式呼吸がしやすくなる。
⑶患部の脇をしめる
⑷健側の手で患部の創あたりを押さえる
創が肩甲骨下から前胸部にかけてできるので、咳をするときに創に少しでもひびかないようにするため。
⑸腹式呼吸の要領で息を吸う
⑹喉に力を入れずに細く息を吐く
咳によって喀痰を口に移動するため。
⑺大きな咳をする
痰を喀出します。
傷が痛むからといって咳を我慢するのは衛生上よくありませんので、
痛み止めを使ってでも痰は出したほうが良いみたいです。
また、口が乾いていると痰は出にくいので水分は意識的に多くとります。
ヨガを20年以上実践しており、教えてもいるのですが、
この時ほどヨガをやっていてよかったと思ったことはありません。
咳以外でも術後すぐは特に腹式呼吸、横隔膜の動きを意識しました。
また息苦しさとともに、空咳もしばらく続きますが、
傷がくっつくまでは空咳も傷にひびきますので腹筋をかなり使いながら咳をすることになります。
それはそれで良い呼吸の仕方ができるので、体のためには良いのかもしれませんね。
実際、運動量は減っているのにもかかわらず太ったという感じはありません。